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国際金融のプロ。最前線にいたからワカル!日本のココが変!

2010年11月22日 (月)

QE2(アメリカの追加金融緩和策)

アメリカ連邦準備理事会(FRB)は、11月3日の連邦公開市場委員会(FOMC)において追加金融緩和策を決め、今後8ヶ月間に6,000億ドルの米国債を買い入れることとしました。これが量的緩和第二弾という意味でQE2(Quantitative Easing 2)と呼ばれています。今日はこのことについて、少々専門的な内容ですが触れてみたいと思います。(注:この金融政策は「量的緩和」と通常呼ばれるものとは異なり、FRBのバーナンキ議長もこの政策は量に訴えるのではなく長期金利に直接働きかけてその低下を目指すものだと言っていますが、通称が「量的緩和」なのでその呼称を使います。) 

FRBも日銀と同じく大幅な緩和を続けてきましたが、失業率が依然として9%台という高水準にとどまる現状を何とか打破しようと、追加緩和を決めました。しかも日本と同じく短期金利がかなり低下してきている中で、より大きな効果を狙って2年半から10年までの中長期の米国債を購入することになりました。8月のFOMCで、以前の量的緩和(QE1)で購入したエージェンシー債やMBS(住宅ローン担保証券)の償還分を米国債によって再投資することを決定していますので、合計すると来年の6月末までに8,500億ドルから9,000億ドルの米国債を購入する計画であると、実際の市場操作を担当するNY連銀は公表しています。 

日本でも包括的金融緩和政策の中で長期国債の買い入れが行われることになっていますが、アメリカでは日本と大分違った反応を市場が示しており、また一部の著名経済学者がQE2に反対する公開書状を送ったりもしています。市場の反応から見てみますと、米国10年債と30年債の金利は10月初頭にそれぞれ2.4%程度と3.7%程度まで低下していましたが、その後QE2の採択が確実視されていた11月3日のFOMCが近づくにつれて上昇し、QE2の決定後も上昇を続けた結果最近では10年債が2.9%、30年債が4.3%程度の水準にまで金利が上昇してきています。これは何故なのでしょうか。 

一番大きな理由は、今回の追加金融緩和策によって将来インフレが起こることを多くの人が予測するようになり、その結果中長期の名目金利が上昇するようになりました。短期金利はほとんど動いていませんから、下げようと思っていた長期金利が上がってしまうだけと言う、皮肉な結果になってしまったわけです。また、FRBの緩和姿勢の中で投機家が米国債の買い持ちポジションをかなり大きくしてきていたことも、今回の金利上昇に影響を与えていると思います。金利が少し上昇したからと言って追加で購入する余力はなく、逆に売りに回っている投資家、投機家が多いと市場関係者は考えています。 

バーナンキ議長に宛てられた公開書簡では、スタンフォード大学のボスキン教授やテイラー教授が、QE2は通貨価値の低下やインフレを招き、FRBの目的とする雇用の拡大には繋がらないとして、QE2の中止を求めています。バーナンキ議長は11月19日、フランクフルトで行った講演の中で、このような動きに対する反論のような話をしています。議長は、アメリカ経済が依然として高い失業率など危険な状況にあり、失業率は更に上昇する可能性すら有ること、インフレ率が大きく低下しており実質金利が上昇していることなどに触れ、QE2が必要な政策であることを訴えています。また同時に金融政策の限界を認識し、短期的には成長促進を目指しつつも財政赤字を削減するしっかりとしたプログラムを政府に対して要望しています。 

日本では金融緩和と為替レートを関連づけて話すことが多くありますが、アメリカは為替水準に対する市場の自立的調整を重視する姿勢を貫いていますので、FRBも為替市場への影響を金融緩和の目的にはしていません。金融市場にいた人間の経験から申し上げると、確かに為替ディーラーは遠目で金融政策を見ていることはあっても、それに基づいて直接的に意志決定しているわけではありません。金融政策が実際の市場金利にどの様なチャネルからどの様な影響を与えるかが非常に複雑であるため、実際に影響が出てから、つまり金利市場で観察可能な金利の動きになって初めて為替市場は反応するのが常です。今回も、FRBのQE2によって予想に反する形でドルの長期金利が上昇を始めると、ドル・円為替レートはドル高円安方向に動き始めました。また、日本の機関投資家や個人投資家が多く保有している為替リンクの仕組み債の構造上、長期金利の金利差の動きによってほぼ自動的にディーラーのヘッジ取引が行われることもあり、10年近辺の年限の円金利と外貨金利の差には為替市場が敏感に反応する特性もあります。 

11月19日にみんなの党は日銀法改正案を参議院に提出しました。これは日銀に対して手段の独立性は認めつつ、目標に関しては達成すべき物価の動きを政府と日銀の間で締結する協定において明示的に定め、日銀の説明責任を求めるものです。これからも日本の金融、財政政策当局に対して十分なチェックを行うと同時に建設的な提案をしていきたいと考えていますが、国際金融が極めて密接なつながりを持っているものであるだけに、他国の政策とその効果、副作用などを十分に研究していくことが必要です。また、バーナンキ議長への公開質問状を見てもわかるとおり、非伝統的金融政策の効果と副作用に関しては経済学者の間でも意見が割れています。先入観にとらわれることなくしっかりと考えながら、私の所属する財政金融委員会の場でも政策議論を進めていきたいと思います。

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